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認知症女性:所有の土地、建物 北海道が委任状なく買収
 札幌市の認知症の女性(86)が所有する土地・建物を、道が03年、本人の承諾を得ないまま買収したとして、成年後見人の弁護士が道に対して所有権返還を求める訴えを札幌地裁に起こした。道は、女性の委任状を持たない偽代理人と契約を結んだとみられ、女性の預金口座に入金された代金約7000万円は既に何者かに引き出されている。弁護士は「道のずさんな対応が問題を引き起こした」と主張。専門家は「事実とすれば行政機関としてあまりにもルーズ。他では聞いたことがない」と指摘する。

 訴状などによると、女性は認知症がひどくなり99年12月から札幌市内の老人介護施設で暮らしている。施設の記録では、02年2月時点で「質問を理解できず、支離滅裂な返答が多い」「日中廊下をうろつきながら歌う」--などの重い病態が現れ、05年11月に西村武彦弁護士(札幌弁護士会)が成年後見人に選任された。

 女性の土地・建物は、宗谷管内枝幸町にある。売買契約書は03年10月8日に作成され、女性の署名と押印もあるが、当時の病状から、西村弁護士は「署名は偽造」と断じる。女性の委任状はなく、偽代理人や現金を引き出した人物が誰なのかも不明だ。

 現在、女性は年金から施設費を支払っている。しかし、十分な貯蓄がないため、今後の生活への不安は大きい。財産を取り戻す必要があることから、西村弁護士は昨年12月、札幌簡裁に提訴。今年2月、札幌地裁に移管された。第1回口頭弁論は4月10日に行われる。

 提訴に対し、担当部署である道都市環境課の村上正博課長は「我々としては適正に買収・登記し、土地の所有権登記は現在も有効と考えている。詳細は裁判の中で主張していく」と話している。【真野森作】

毎日新聞 より
 勝手にはまずいでしょう(-0-)
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